2019年、持ち家・マンション・住宅ローンはこう変わる!②
2019年、持ち家・マンション・住宅ローンはこう変わる!②
前回、2019年の①制や各種住宅取得支援の動きについてお話しました。
今回は②消費増税が具体的に供給や価格にどのように影響していくのかについてです。
2019年3月が消費税8%で建築請負契約を締結できる特例の期限なので、
この期限に向けて大幅な駆込み需要が発生、2018年度の新設住宅着工数が増加しておかしくないのですが、
今回、増加は少ないと予想されています。
駆込みがなければ、2019年10月の増税後の反動減もさほど心配なく、住宅着工に大きな落込みもないでしょう。
◆新築マンションは増えも減りもしない
新築マンションの供給に関しても、不動産経済研究所では首都圏の2018年の発売戸数が3万6700戸と見込まれるのに対して、
2019年は年間3万7000戸とほぼ変わらない予測しています。
近畿圏も2018年が年間1万9900戸の見込みに対して、2019年も年間2万戸と予想され、やはりほとんど変化ないようです。
そのため2019年の住宅供給は、ほぼ2018年と変わらないでしょう。
◆住宅価格は上昇傾向!?
価格をみてみると、全般的には上昇傾向になりそうです。
首都圏の新築マンションの契約率をみると、採算ラインといわれる70%を大きく割込み、
2018年11月には50%台まで低下しています。売れなければ価格引下げの動きが起こってもよさそうですが、
なかなかそうはいかないのが現実のようです。
新築住宅価格は、大きくは土地取得費、建築費、分譲会社の経費・利益から成り、
売値の8割前後を土地取得費、建築費が占めているといわれますが、この両者ともに上昇傾向にあります。
2018年9月に発表された国土交通省の『基準地価』では全用途平均の地価が上昇に転じました。
バブル時以来27年ぶりのことです。特に大都市部の商業地では4.2%も上がっています。
しかも、国土交通省の調査よると、東京23区に本社を置く企業の担当者の49.1%は
「1年後も地価の上昇が見込まれる」と回答、「下落が見込まれる」はわずか1.6%という結果ですから、
当面地価上昇が続きそうです。今後は、こうした高い価格で仕入れた土地の上にマンションが供給されることになります。
建築費も同様で、2012年からの6年間でほぼ1割上がり、このところはその高い水準で張りついた状態にあります。
そんな上昇圧力が強いなかで、何とか価格を抑えるため、
面積の圧縮、構造・設備のグレードダウンなどが始まっているので、2019年の新築マンション選びにおいては、
価格をみるだけではなく、こうした点にも注意しておく必要があります。
◆中古マンションから値下がりが始まる可能性も
新築マンションの上昇を追うように、中古マンション価格も上がっています。
首都圏中古マンション成約価格をみると、下記の図表3(『首都圏中古マンションの成約価格と前年比の推移』)にあるように、
2012年には2500万円だったもので、2017年には3195万円まで上がっています。
それでも新築に比べるとかなり安いので、まだ上がるのではないかという見方が強いようですが、それはどうでしょうか。
というのも、価格の高い新築マンションを買う層と、価格の安い中古マンションを買う層には大きな違いがあります。
住宅金融支援機構のフラット35を利用してマンションを買った人たちの平均像をみると、
世帯主の平均年齢は42歳前後とほとんど変わらないのですが、
世帯年収は新築が775.7万円で、中古マンション595.6万円と大きな差があります。
中古マンションに関しては、それだけギリギリの資金計画で取得している人が多く、
新築マンション以上に価格上昇が取得能力、取得意欲に大きく影響してきます。
そうしたなか、高値のうちに売っておこうと、中古マンション市場では新規登録が増えています。
その結果、在庫の積み増しが進み、東日本不動産流通機構によると、
2018年末の在庫は過去最高水準の4万7000件台まで増加しています。
まだ、この在庫の増加が需給バランスを崩すには至っていませんが、新築価格の高止まりや、
中古価格も十分高くなっていることを考え合わせれば、2019年に価格低下が始まるというのは十分にあり得ます。
新築は分譲会社の採算維持という観点から価格を下げるのは簡単ではありませんが、
中古は原則的に売主は個人ですから、売れなくなれば売れる価格に下げることは比較的容易です。
そうした点を考慮すると、このまま在庫が増え続ければ、
やがて中古価格もピークアウトして、下がり始める可能性があります。
もちろん、下がり始めるといっても、急激な下落ではなくジワジワとした値動きになるのではないでしょう。
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次回は③住宅ローンの金利についてです。
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